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CVポート・PICC外来

CVポート・PICC外来を開設しました

「末梢ルートが取りにくくて困っている」、「化学療法を行う」、「誤嚥性肺炎などの治療で中心静脈カテーテル挿入をするが感染を繰り返す」、「長期の輸液療法が必要である」など様々な理由で、長期的に中心静脈カテーテル挿入が必要になった際、感染リスクの低い血管内留置デバイスを選択する必要があります。
当院では患者様の治療、希望、生活様式にあった血管内留置デバイスの挿入を提案し、必要時、在宅や施設での挿入後の管理方法までご提供いたします。

CVポートとは

中心静脈カテーテルの一種で、正式には皮下埋め込み型ポートといわれるものです。CVポートは、100円硬貨程度の大きさの本体と薬剤を注入するチューブ(カテーテル)より構成されています。通常は、鎖骨の下の血管からカテーテルをいれ、右または左の胸の皮膚の下に埋め込みます。また状態によって腕に埋め込むこともあります。カテーテルの先端は、心臓近くの太い血管に留置されます。
体の中に埋め込みますので、外からはほとんど目立ちません。ただし、CVポートを体に埋め込みますので、小手術を必要とします。
CVポートには、セプタムと呼ばれる圧縮されたシリコーンゴムがあります。ここに専用の針を刺して薬剤を投与します。薬剤はこのCVポートとカテーテルを通って、血管内に投与されます。


CVポートは、体内に埋め込むために小さな手術を必要としますが、大きな利点があります。

利点
  1. 1回で確実に針を刺すことができます。一方、従来、広く行われている末梢静脈留置針(腕の血管から抗がん剤の投与を行う)の場合、血管が細い、もしくは血管が脆い場合、針を何度も刺し直す場合があるので苦痛を伴うことがあります。
  2. 体格にもよりますが、外見上、埋め込んだ部分はそれほど目立たず、生活にほとんど支障はありません。
  3. 両腕を自由に動かすことができるので、薬剤投与中に本を読むこともできます。一方、末梢静脈留置針(腕の血管から抗がん剤の投与を行う)の場合、腕を動かすことによって薬剤の漏れなどの危険性があるので、腕の動きが多少制限されます。カテーテルの先端は太い血管に留置しているので、薬剤を投与するとき刺激の強い薬剤を投与しても静脈炎が起こる可能性が少なくなります。
  4. 長時間かけて薬剤を投与する場合は、入院が必要なこともありますが、CVポートであれば体内に埋め込んでいるので、自宅で治療を行うことが可能となります。CVポートへの針の抜き刺しは、入院中および外来では医師や看護師が行いますが、自宅で治療を行う場合は患者さんご自身で行うことも可能です。
  5. きちんと管理をすれば感染率も低く、年余にわたって長期間使用することができます。
留意点
  1. 小さな外科的手術が必要です。
  2. 合併症が起こる可能性があります。(挿入に伴うもの、埋め込み手術に関するもの、埋め込んだ後の合併症)
  3. 異物を体内に入れることに不安を感じる方がおられます。

PICC(末梢挿入式中心静脈カテーテル)とは

腕から挿入する中心静脈カテーテルです。他の中心静脈カテーテルと比較して、腕から比較的簡単に挿入でき、挿入後の感染などのリスクも少ないのが特徴です。また管理方法によっては長期間にわたって使用できるカテーテルです。

利点
  1. 長期間治療が必要な場合でも、末梢静脈留置針のように定期的な入れ替えは基本的に必要ないので、何度も針で刺される苦痛がありません。
  2. 適切な管理を行なうと、長期間使用することができます。
  3. 腕から挿入するので、鎖骨や首の付近から挿入する際に発生しうる、肺や大きな血管を損傷するなど命にかかわるような合併症は起こりません。
  4. カテーテルの先端が太い静脈(中心静脈)に位置しているので、刺激の強い薬剤を使用しても、血管を痛めることがありません。
留意点
  1. 長いカテーテルが血管の中に入るので、静脈炎を起こすことがあります。
  2. カテーテルが詰まって、使用できなくなることがあります。
  3. カテーテルが体の外に出ているので、ひっかけないようにするなど管理に注意が必要です